『Simultaneous Spontaneity』
1 Viridian Moon
2 Walk up to the Dune
3 Low Gravity
4 Reboot
5 Sphere Fluid
6 Sphere Fluid 2
7 Opalescence
8 Hydroscopic Ray
9 At the End of the Struggle
Pulse Convention
Saxophone
Hiroshi Nakamura
Piano and Fender Rhodes
Wataru Iwata
Contrabass
安東 昇 (Noboru Andou)
Drums
Hiroto Uezi
Cover art by A.L. / Akira Saito
Photo by Kenichi Iwai
【Release Note】ベルギー・アントワープ拠点のレーベル「Off」よりPulse Conventionのアルバム「Simultaneous Spontaneity」をリリース。
「Simultaneous Spontaneity」を訳すとすると、『同時に存在する自然発生的なもの』とでもいうことになるだろうか。つまり“即興性”についてもって廻った言い回しをしたものである。
ここでは芸術/音楽表現における即興性にのみ言及しようとしているのではなく、我々の日常、大袈裟にいうならば、私たちが存在しているこの瞬間に生じる、惑星の運行から微生物の活動、量子の振る舞いに至るまでの、文字通り「あらゆるもの全て」の無限の相互作用によって、生じる「あらゆる現象」のことを指している。
また別の例え方をするとすれば、珊瑚虫の作り出す珊瑚礁、蟻塚、下町の曲がりくねった小道と家々の重なり合い、宇宙から見た夜の都市の灯にも見てとることが出来るだろう。また老荘思想における「無為自然」という言葉から窺い知ることのできる。
「無秩序とは最高の秩序である」とプルードンがいうとき、それは、あらかじめ秩序立てられたものの中に存在する個を想定しているのではなく、刹那刹那に生じる、存在するもの同士の、無限の相互作用のなかで受容し、変容し、呼応し、発信し、絶え間なく動き続けていることの軌跡を「最高の秩序」と呼んでいるのだと理解している。そしてそれは生じると同時に、軌跡を絶えず刻み続けている。
「Simultaneous Spontaneity」は以下のプレイヤーよりご視聴いただくことができます。https://player.believe.fr/v2/3615938522905
https://off-recordlabel.blogspot.com/2019/09/ojp038-pulse-convention-simultaneous.html?fbclid=IwAR2GQMuWDGZq3l4mLLpZCRPnQWOjVl672nYqCctzWWA9X_fMhzXUvXWKY8A